大判例

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最高裁判所大法廷 昭和22(れ)157 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人上村進の上告趣意は末尾添附別紙記載の通りである。よつて左に其の各点

につき、理由のない所以を説明する。

論旨第一点に付て。

日本の裁判所は聯合国人に対しては刑事裁判権を有せざることは所論の通りであ

るが、中国の国籍を主張する者に付ては中国駐日代表団において身分登録を受け右

登録証明書を正当に所持する者に限り、これを中華民国人と推定し、わが刑事裁判

権の外に置くものであること千九百四十七年二月二十五日附聯合国最高司令官より

日本国政府に宛てた「中華民国人の登録に関する覚書」によつて明である。しかる

に被告人両名に付ては原審からの照会に対する中国駐日代表団僑務処からの回答(

記録第六七八丁)により当時未だ右の登録手続をして居なかつたことが認められる

し尚今日に至る迄両名共前記登録証明書を裁判所に呈示して身分の証明をしないか

ら両名に対しては日本裁判所が刑事裁判権を有するものとしなければならない。従

つて論旨は理由がない。

論旨第二点及び同第三点に付て。

論旨第一点に付て説明した様に被告人両名に対しては吾国が刑事裁判権を有する

以上、原判示の様な犯罪行為を為した被告人等に対し原審が適法な審理をした上、

科刑を為し得べきは勿論である、日本政府には論旨第二点所論の様な特別の保護を

為すべき義務もないし又同第三点所論の様に直ちに帰国せしめなければならない義

務もない、原審の措置には論旨にいう様な国際連合憲章違反、違憲其の他違法の点

は少しもないので論旨はいずれも理由がない。

よつて上告を棄却すべきものとし刑事訴訟法第四百四十六条に従い、主文の如く

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判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 橋本乾三関与

昭和二十三年七月十九日

最高裁判所大法廷

裁判長裁判官 塚 崎 直 義

裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 霜 山 精 一

裁判官 井 上 登

裁判官 栗 山 茂

裁判官 真 野 毅

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 島 保

裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 河 村 又 介

裁判官岩松三郎は差支の為署名捺印することができない。

裁判長裁判官 塚 崎 直 義

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